
灯油代高騰
2004ランニングコスト報告が遅くなり、たいへん申し訳ありません。 昨年、今年の灯油代の異常な高騰、フル電化住宅では、影響を受けていない方も いらっしゃいますが、FFストーブを組み入れている方は、いくら低ランニングコ スト住宅とはいえ、少なからざる影響を受けている事と思われます。「こう灯油が 値上がりすると、電気料(暖房)のほうが安いのでは?」という問い合わせも、耳 にします。そこで、現在灯油代74円/Lとした場合の、FFストーブ、蓄熱暖房器、 エアコン、3種のランニングコストを比較します。
先ず、FFストーブについて計算します。灯油1Lの発熱量は、9600wです。ま た、FFストーブの器具効率(COP)は0.8とされています。この値から計算します と、1KW発熱に要する価格は、74円÷9.6KW÷0.8=9円64銭。
続いて蓄熱暖房器について、電気1KWの発熱量は、やはり1KW器具効率は、0.99 とします。(メーカーカタログより)また、基本料の割り振り分が、1KW当たり約 0.61円[時間帯別電灯とし、(260x12)÷5146KW=0.61円]計算しますと蓄熱暖房 器で、1KW発熱するのに要する価格は、7.22円÷0.99+0.61=7円90銭。
最後にエアコン(当社採用品)の場合、23:00〜7:00(夜間料金)の間の平均外 気温をマイナス7度とすると、その間の平均COPは2.1となり、7:00〜23:00の平均 外気温を±0度とすると、その間の平均COPは、2.7となります。その使用電力量比を7 (ナイトタイム):3(デイタイム)と仮定しますと。エアコンで1KW発熱するのに 要する価格は5円24銭(計算下記※1)表1の様になります。ただし、これが最終価格 ではありません。ここで、昨年のランニングコスト調査の時報告した「計算値と実使用 量の比率」を乗じます。(制御性の良い器具は、実使用量比率が低い)昨年調査平均よ り、FF=0.5(平均0.32) 蓄暖=0.7(平均0.62)エアコン=0.6(FF、蓄暖の 中間とし)、の比率を乗じますと、最終比較価格が出ます。それが表2です。この表は、 夜間電力7円22銭/KW、昼間電力25円47銭/KW、灯油量74円/Lの場合の燃費比較です。
逆に、電気料が変わらないとした仮定すると、FFストーブとエアコンの燃費効率の入れ 替わる分岐点は、灯油代48円/Lとなります。(灯油代が48円を越えると、エアコン暖房 の方が安価になる)同様にFFストーブと蓄暖の分岐点は、84円/Lとなります。
※ 1 (7.22円÷2.1)×0.7+(25.47円÷2.7)×0.3=5.24円

エコキュートの実力
今回の、ランコス調査報告で、最も気になっていた事といえば、やはりエコキュートの省エ ネ性の数値であったと思います。
今回、報告できる1年間のデータをいただけたのは、6邸6台のエコキュートです。6邸様の 状況は、平均坪数43.31坪、平均家族人数3.7人でした。その年間月別平均給湯電力と、昨年< へいへいほう紙上にて報告しました電気温水器電力(当社平均)とを「表3」と「グラフ1」
に表しました。
電気温水器の年間使用電力(平均)は、5,591kwh、対してエコキュートの年間平均は、 2,817kwh。ちょうど半分(50.3%)と言う数値です。一般には、エコキュートを導入す ると、給湯電力費が3分の1になると言われていますが、当社のお客様データでは、2分の1 と言う実績です。それにしても年間21,000円のランニングコスト減とはなっています。一 般に言われる3分の1より効率の悪い原因は、冬季間のCOP(成績係数)が、温暖地域のよう には理論値どおりに上がらないためではないかと思われます。「グラフ2」をご覧下さい。
夏の最も使用給湯電力の少ない月を1として、各月の給湯に使用した電力を比率で表したも のです。温水器では、1月が最大比率で、1.83倍であったのですが、エコキュートでは、同 じく1月が2.5倍の数値を示しています。いくら寒冷地対応のエコキュートであるとはいえ、 冬には、省エネ性が、やや失速しているようです。


ゼロエネルギーハウスの現実性
当社の大きな目標の一つが「ゼロエネルギーハウスの普及」であるという事は、へいへ いほう読者の皆さんはご存知の事と思います。その為に、OB客様からのデータ収集、デー タに基づいたゼロエネハウスのシミュレーション等に取り組んできました。データに基づい たシミュレーションであっても、「計算は、あくまで計算、実際はどこまで、実現に近づい たのか?」と問いたい方も多い事だと思います。今回エコキュートデータをいただいた方の 内3邸様のデータを表4、5にまとめました。ご覧下さい。
A様邸は、へいへいほう4月号で紹介させていただきました完全な「ゼロエネハウス」です。
けれどA様邸に限らず、B様、C様邸においても、太陽光発電を4KW塔載してさえいれば、 「ゼロエネハウス達成」は間違いなかったと思われます。本当に後一歩なのですが、当社の ゼロエネハウスは、普及供給体制に確実に乗りつつあるとの手ごたえを得ています。
来年もランニングコストデータをいただくのが、今からを楽しみです。OB客様のご協力に 重ねて感謝いたします。

