冬場の見学会に いらっしゃったお客様に「この暖かさで、年間の光熱費は12万円以下ですよ。」とお話しますと、「どうして、そんな事ができるのですか? 断熱ですか? このエアコンがいいんですか。」と質問されることが良くあります。そう言った時、先ずは、「当社では光熱費に占める暖房費は、12万円のうち、1万7千~2万5千円である事。」「暖房費に関して言えば、1に断熱性能、2に暖房システムが大事である事」をご説明します。当社の性格上、断熱性能の説明に重きが置かれ、暖房についての説明は、それに比べれば少ない傾向があるかもしれません。しかし、高気密高断熱住宅は、「入った熱が逃げにくい住宅」ですから、熱の加え方(暖房のシステム)はたいへん大事です。今回は、暖房についての当社の考え方を述べてみたいと思います。



■住宅性能と暖房システム


暖房器、暖房のシステムは、家の性能によって、ベストマッチな物が異なります。例えば同じエアコンでも、局所暖房(必要な部屋を必要な時間だけ暖める暖房)の場合、人体を追尾して暖気を吹き出すタイプは便利な機能ですが、当社のようにそれをメインの熱源とする全館暖房では、なるべく人のいない、あさっての方向に吹き出して貰いたいたい訳で、かえってありがた迷惑な機能であると言えます。又、病院などでは、一般住宅に求められる温度環境とは違う環境が求められるでしょうし、どの住宅にも最適な暖房システムというものは無いといえます。今回は、当社の建物に適した暖房システムと言うことで進めさせていただきます。


 


■暖房と採暖


今から25年ほども前になるでしょうか、高気密高断熱工法が北海道に始まって初期の頃、「暖房と採暖」という啓蒙文を目にし、(どちらかの大学の先生に依る文であったように記憶しています)たいへん大きな衝撃を感じました。それ以来 高気密高断熱住宅に深く傾倒して 今に至っています。その内容は、「暖房という言葉の意味は、房(家全体)を暖める、ということであり、今 暖房器具として扱われている、部屋ごとのストーブとか、電気コタツとかは、採暖器具である。快適な暮らしの為に、採暖ではなく、暖房に向かわなくてはならない。それは、高気密高断熱工法によって初めて可能になる」といったことでした。当時「全館暖房」という言葉が無かったわけではありませんが「オンドル」とか「北海道ではストーブ゙をガンガン焚いて、半そでにビール」とかのイメージで、暖房器具と呼ぶような、少熱量の暖房によって家全体をあたためることなど想像もつかないことで、まさに夢のような話でしたが、その文末が、「北海道ではすでにそういった住宅が、現実に(リーズナブルな価格で)建築されている」と結ばれていました。(希望の光ですね)
思い出話の様になってしまいましたが、高気密高断熱住宅における「暖房」の意味をご理解いただければと思います。




■快適性&初期費用(イニシャルコスト)&光熱費(ランニングコスト)


こうして「住宅を全館、24時間暖房する。」という目的に沿った、暖房システムが検討されることになりました。「どのシステムが最も優れているか?」という問いへの答えは簡単ではありません。「快適性」「初期費用」「光熱費」「維持管理耐久性」の各項目について各々が短所、長所を持っているわけです。総合でどのシステムが優れているのかは、採点方式に左右されてしまいそうです。

当時採用された代表的暖房システムを各項目ごとに、当時の一般的な評価基準(と私が感じていた基準)で3点評価をしてみます。この評価は、当社の考えとは異なります。




まあこのように思われていたのが、一般的だと思います。まさしく「温水セントラルヒーティング」こそが、高気密高断熱住宅の暖房システムに最適であるとの評価だったのです。(今でもそう思っている方は結構居ると思います。)  その原因は、当時は評価に際し「初期費用」「光熱費」「維持管理耐久性」という項目についての重要度が低かったからではないかと思います。高気密高断熱住宅に住んだ方はわかると思いますが、その快適性は異次元の世界です。「これだけ快適な暮らしができるのだから、少し最初にお金がかかっても仕方がないでしょう。」とか、「家全体を24時間暖めて、こんなに快適に暮らして、灯油代が今までより1.5倍くらいかかっても当たり前でしょう。」とかの考えは、高気密高断熱住宅に携わる業者は、だれでも少なからず持っていたと思います。当社は、「維持管理耐久性」の点で 温水セントラルヒーティングに不満と不安があり、採用しませんでした。当社が創立直後から採用した暖房システムは、「FFストーブ」と「蓄熱電気暖房」でした。その、OB客様の光熱費データ、住まい感アンケートの集計を通じて、 「快適性」「初期費用」「光熱費」「維持管理耐久性」の項目について、一般に言われているのとは違う独自の見解を得るに至ったのです。 今月号はこれにて、紙面が尽きました。この続きは 来月号にて、「快適性」「初期費用」「光熱費」「維持管理耐久性」についての当社の見解、そしてそれを組み込んだ暖房システム、その実際の温度データ、費用等について記します。                                             (S・OGAWA)



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