大寒の諏訪湖とコハクチョウ
文・写真 牛山与広

 平成16年、今年は天下の大祭「御柱祭」の年である。
下社では既に伐採も終わりその日を待つばかりとなり、上社では2月15日の抽選日に向け、各地区毎の抽選祈願が正月2日より上社本殿において早朝5時30分頃から連日続いている。
 今年の正月は何とも暖かく、諏訪湖の全面結氷、そして御神渡りは無理ではなかろうかと思っていたところ、大寒前頃から強烈な冷え込みとなり「諏訪湖の全面結氷」となった。このままで行くと数日内にも「御神渡り」となりそうである。
 早朝気温-13度の中、御神渡りの前兆でも見つからないかと諏訪湖畔に立った。
塩尻峠の向こうに北アルプス常念岳の山頂だけが見える。湖面は2~3Cm程の雪が氷面を被い真っ白である。南から力強い朝陽が斜めに注ぎ雪がきらきらと光っている。
「そんな美しさに寒さを忘れてしばし佇んだ」となれば文学的であるのだが、とにかく寒いのでしばし佇むことは出来ない。大急ぎで写真を撮り、大急ぎで車に戻る。
車中からその景色を見ていると、ナント沖に向かって氷上を進む人を発見。50Mほど進みそこで腕をぐるぐる回している人が居る。
昔は、戦車も通ったそうであり、スケート大会も大々的に実施された場所であるが、近年「氷上には上るな!!」のたて看板が有る。そこまで官庁が指導する必要も無いとは思うのだが、近年上りたくても上れない(それだけ地球温暖化現象が進んでいるのか?)
大急ぎで氷上の人を撮影し、自分も氷上に上ろうと思ったものの「非常に寒いからやめた!」と力強く素早く決意し、上川の白鳥を見に行くことにした。
 諏訪地籍と茅野地籍の境目あたりが「上川の白鳥飛来地」である。ここには「上川白鳥会」の小屋が有り、その会の人がかなり大きな焚き火にあたっている。「シベリアからはるばる飛来した白鳥を大切にしましょう」と言った感じのたて看板が有る。
まだ朝早かったせいか、会の人1名、大掛かりなカメラで写真を撮っている正しいカメラマン1名、そして怪しいカメラマン1名(私)の3名しか居ない。「今年は飛来が15日ほど遅い」「飛来数は現在380羽程で、昨年より100羽程少ない」「爆竹で何羽かいなくなってしまった」などの説明を受け、しばし白鳥観察をした。
美しさに感動というより、どの様にしてシベリアから来たのか?遠くから来る間に何羽位が死んでしまうのか?なぜこの場所に毎年くるのか?鮭の遡上と同じ原理か?等どうでも良い事ばかりが頭の中に廻り始める。
 朝陽がさらに強く斜めから射す。非常に寒い朝だけに発生する現象で、湯気の様なユラユラとしたOOが見える。これを何と言うのか忘れてしまったが、、、
 空は限りなく空色と言われるブルー、大地は限りなく雪色のホワイト。空気は限りなく大寒の空気でまさに真冬の風景である。
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